理科イメージ 単元a-2 天体分野

『確認用問題』
1)上弦の月は、どの時間にどの方角に見えるか?
2)星は1時間でどれくらい動いて見える?
  また、1日経つと、前の日とどれくらいずれる?
 3)夏と冬を代表する星座を1つずつ挙げてみよう。


【参考映像授業】
観てわかる中1理科 34-43
Try IT天体(理科より全6本)担当:伊丹龍義


【参考資料】
メモリーチェック 単元28-31
理科便覧 P116-135


【キーワード】
1) 上弦の月
2) 自転(日周運動)・公転(年周運動)
3) 夏の大三角形・冬の大三角形

【簡単な解答】
1)上弦の月は、どの時間にどの方角に見えるか?

上弦の月は「半月」の名前だが、もともとは、一か月の上旬に見える半月という意味で名付けられたもの。この暦(太陰暦)は新月(地球・月・太陽がこの順で一列に並び、月が見えない時)を1か月の始まりとしているので、地球を中心にして北極側から見ると、時計の12時の位置に月が、3時の位置に太陽がくる形となる。
(イラストは後ほど追加)
さらに、地球上での方角・地球上での時間をモデルで確認すると、日の入りに正面(南)の空に、真夜中に西の空に見えるのがわかる。

月や星の問題は、知識で解くのではなく、応用問題にも対応できるよう、宇宙空間から見た姿をイメージして解く必要がある。

2)(前半)星は1時間でどれくらい動いて見える?

星は毎日同じ時間に、おおざっぱに言うと、同じ位置にいるように見える。(毎日同じ位置に見えるからこそ「夏の星座」などという言葉ができる)
また夜空に見える星は、太陽と同じく恒星(自分で燃えている星)なので、実際には動いてはいない。ただ自分たち地球が動いているので、星も動いて見える。だから、太陽が動いて見える理由と、星が動いて見える理由は全く同じなのである。だから、太陽が「東から昇って、南の空を通り、西に沈む」のと、同じように星も動くのである。この動きが1日(24時間)で元通りになる、つまり1回転(360度)動くのだから、24時間で360度、1時間では15度ずつ動いていくことになる。もちろん、動きは東-南-西。さらに北の空を見ると、反時計回りに1時間に(同じく15度)動いて見える。
この原因は1日で1周する運動(日周運動)、地球の自転である。

(応用)東-南-西の動きをたどってみると、時計回りに見えるのに、なぜ北の空を見ると、反時計回りに見えるのか、これは自分の言葉で回答を言えるようにしておこう。ヒントは「見る向き」

2)(後半)また、1日経つと、前の日とどれくらいずれる?

基本的には、1日で星は1周して元の位置に戻るのだが、ぴったり同じ位置に戻るのなら、どの季節でも同じ星が見えることになる。でも実際には季節によって見える星が違っているので、ほんの少しずつずれていることになる。この原因は、1年かけて地球が太陽のまわりを1周する公転。これは1年(365日)で、1周(360度)うごくので、1日約1度動く計算となる。
またこの公転は、宇宙空間から(北極側から見ると)自転と同じ、反時計回りに動いているため、自転による動きと同じ向き(東-南-西)に動いて見えることになる。

3)夏と冬を代表する星座を1つずつ挙げてみよう。

星座は国際天文連合により「88個」(日本からは50個程度見える)決められているが、そのうち覚えてほしいのは10個。
冬の空で目立つ、オリオン座(ベテルギウス)、おおいぬ座(シリウス)、こいぬ座(プロキオン)このカッコ内の星3つが、冬の大三角形。
(狩人のオリオンとそのお供の猟犬の親子)
夏の空で目立つ、はくちょう座(デネブ)、こと座(ベガ)、わし座(アルタイル)このカッコ内の星3つが、夏の大三角形。
日本では、ベガを「織姫」、わし座を「彦星」として七夕の主役となっている。
あわせて、夏に低い位置にあるさそり座(アンタレス(赤い))も抑えておくとよい。
最後に、北の空の中心にある北極星を含むこぐま座。
その周りを心配しながら回っているおおぐま座(北斗七星を含む)、ちょうどおおぐま座の反対側にあるカシオペヤ座。この北斗七星とカシオペヤ座は、回転の中心にいて、常に北にいるため方角を知ることができる(が、目立たない)北極星を見つけるために使われる。
ここに出てきた星座は、覚えておきましょう。

(応用)冬の星座であるオリオン座は、春にはどの方角に何時ころ見えるでしょう?宇宙空間での、太陽・地球そしてオリオン座の位置を想像したり、模型で操作したりして考えてみよう。


【保護者向け】
理科の3&4テーマ目は「天体」です。

どうしても、星・月、そしてこの後に出てくる季節などは、暗記に頼りがちですが、最終的には、頭に「宇宙から見た模型」を思い浮かべ、それを操作して考えることが必要となります。そのため、上弦の月の語源を始め、どの問題もかなり長い説明がつく形となっています。

また、この範囲の応用的な出題が増えてきたため、1&2テーマの天気と、今回の天体より、「季節」に関わる話を抜き出し、夏休みにも扱うことにしました。

興味がある方は、三球儀を用いて、「太陽が東から昇り西に沈む理由」から始めて、今回の(1)(1応用)(3応用)と考えてみると、この範囲の問題が解きやすくなります。


参考映像授業
Try IT天体(理科より全6本)担当:伊丹龍義

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