理科 天体分野

『確認用問題』
1)上弦の月は、どの時間にどの方角に見えるか?
2)星は1時間でどれくらい動いて見える?
  また、1日経つと、前の日とどれくらいずれる?
 3)夏と冬を代表する星座を1つずつ挙げてみよう。


 

参考映像授業
Try IT天体(理科より全6本)担当:伊丹龍義


【キーワード】
1) 上弦の月
2) 自転(日周運動)・公転(年周運動)
3) 夏の大三角形・冬の大三角形

【簡単な解答】
1)上弦の月は、どの時間にどの方角に見えるか?

上弦の月は「半月」の名前だが、もともとは、一か月の上旬に見える半月という意味で名付けられたもの。この暦(太陰暦)は新月(地球・月・太陽がこの順で一列に並び、月が見えない時)を1か月の始まりとしているので、地球を中心にして北極側から見ると、時計の12時の位置に月が、3時の位置に太陽がくる形となる。
(イラストは後ほど追加)
さらに、地球上での方角・地球上での時間をモデルで確認すると、日の入りに正面(南)の空に、真夜中に西の空に見えるのがわかる。

月や星の問題は、知識で解くのではなく、応用問題にも対応できるよう、宇宙空間から見た姿をイメージして解く必要がある。

2)(前半)星は1時間でどれくらい動いて見える?

星は毎日同じ時間に、おおざっぱに言うと、同じ位置にいるように見える。(毎日同じ位置に見えるからこそ「夏の星座」などという言葉ができる)
また夜空に見える星は、太陽と同じく恒星(自分で燃えている星)なので、実際には動いてはいない。ただ自分たち地球が動いているので、星も動いて見える。だから、太陽が動いて見える理由と、星が動いて見える理由は全く同じなのである。だから、太陽が「東から昇って、南の空を通り、西に沈む」のと、同じように星も動くのである。この動きが1日(24時間)で元通りになる、つまり1回転(360度)動くのだから、24時間で360度、1時間では15度ずつ動いていくことになる。もちろん、動きは東-南-西。さらに北の空を見ると、反時計回りに1時間に(同じく15度)動いて見える。
この原因は1日で1周する運動(日周運動)、地球の自転である。

(応用)東-南-西の動きをたどってみると、時計回りに見えるのに、なぜ北の空を見ると、反時計回りに見えるのか、これは自分の言葉で回答を言えるようにしておこう。ヒントは「見る向き」

2)(後半)また、1日経つと、前の日とどれくらいずれる?

基本的には、1日で星は1周して元の位置に戻るのだが、ぴったり同じ位置に戻るのなら、どの季節でも同じ星が見えることになる。でも実際には季節によって見える星が違っているので、ほんの少しずつずれていることになる。この原因は、1年かけて地球が太陽のまわりを1周する公転。これは1年(365日)で、1周(360度)うごくので、1日約1度動く計算となる。
またこの公転は、宇宙空間から(北極側から見ると)自転と同じ、反時計回りに動いているため、自転による動きと同じ向き(東-南-西)に動いて見えることになる。

3)夏と冬を代表する星座を1つずつ挙げてみよう。

星座は国際天文連合により「88個」(日本からは50個程度見える)決められているが、そのうち覚えてほしいのは10個。
冬の空で目立つ、オリオン座(ベテルギウス)、おおいぬ座(シリウス)、こいぬ座(プロキオン)このカッコ内の星3つが、冬の大三角形。
(狩人のオリオンとそのお供の猟犬の親子)
夏の空で目立つ、はくちょう座(デネブ)、こと座(ベガ)、わし座(アルタイル)このカッコ内の星3つが、夏の大三角形。
日本では、ベガを「織姫」、わし座を「彦星」として七夕の主役となっている。
あわせて、夏に低い位置にあるさそり座(アンタレス(赤い))も抑えておくとよい。
最後に、北の空の中心にある北極星を含むこぐま座。
その周りを心配しながら回っているおおぐま座(北斗七星を含む)、ちょうどおおぐま座の反対側にあるカシオペヤ座。この北斗七星とカシオペヤ座は、回転の中心にいて、常に北にいるため方角を知ることができる(が、目立たない)北極星を見つけるために使われる。
ここに出てきた星座は、覚えておきましょう。

(応用)冬の星座であるオリオン座は、春にはどの方角に何時ころ見えるでしょう?宇宙空間での、太陽・地球そしてオリオン座の位置を想像したり、模型で操作したりして考えてみよう。


【保護者向け】
理科の3&4テーマ目は「天体」です。

どうしても、星・月、そしてこの後に出てくる季節などは、暗記に頼りがちですが、最終的には、頭に「宇宙から見た模型」を思い浮かべ、それを操作して考えることが必要となります。そのため、上弦の月の語源を始め、どの問題もかなり長い説明がつく形となっています。

また、この範囲の応用的な出題が増えてきたため、1&2テーマの天気と、今回の天体より、「季節」に関わる話を抜き出し、夏休みにも扱うことにしました。

興味がある方は、三球儀を用いて、「太陽が東から昇り西に沈む理由」から始めて、今回の(1)(1応用)(3応用)と考えてみると、この範囲の問題が解きやすくなります。


参考映像授業
Try IT天体(理科より全6本)担当:伊丹龍義

理科 天気分野

『確認用問題』
1)一日で気温が最も高い時間・低い時間は?
2)乾湿計で湿度が計れる理由を説明してみよう!
3)気温が上がると湿度はどうなる?なぜ?
4)低気圧が来ると、なぜ雨が降るの?


参考映像授業
Try IT天気(理科より全6本)担当:伊丹龍義


【キーワード】
1) 南中高度・地温・気温
2) 気化熱
3) 湿度・飽和水蒸気量
4) 気圧・上昇気流・雲

【簡単な解答】
1)一日で気温が最も高い時間・低い時間は?

高いのは14時(午後2時)頃。太陽がもっとも高いところに来るのが12時で、そこから光によって、地面が温まり始め、地面が最も温まるのが13時、そこから空気が温まり始め、最も気温が上がるのが14時頃。逆に低いのは日の出頃。日の入り後は誰も温めてくれないので、どんどん下がっていく。次に日が昇って温まる直前が一番寒い。だから夜寝るときに油断すると、夜明け前頃に冷えて風邪を引いてしまう。注意を。

2)乾湿計で湿度が計れる理由を説明してみよう!

(乾湿計を見たことがない人は、まず写真で確認してみよう)
水が蒸発して、水蒸気になるときに周りから熱をうばう性質がある(暑いときに汗をかく理由もそれ。このうばう熱を「気化熱」という)ため、ぬれているほうの温度計は、その分、下がった温度が表示される。湿度が高い、つまり空気中に水蒸気が多い時は新しい水蒸気ができにくいので、水が蒸発しにくく温度が下がりにくい。湿度が低いときはどんどん蒸発するので、大きく下がる。だから2つの温度計の差が大きいときは、湿度が低いことになる。

3)気温が上がると湿度はどうなる?なぜ?

湿度は、空気中に含める水蒸気の最大量(飽和(ほうわ)水蒸気量)のうち、今、実際に入っている水蒸気がどれくらいか、という割合で表す。気温が上がると、飽和水蒸気量が増えるので、割合の元にする量(分母)が増えるので、割合としては小さくなる。冬に暖房をつけると空気が乾燥する、というのはその現象である。元々、太平洋側の冬は湿度が低いので(その理由は別の回で)、冬は部屋の乾燥に気をつけましょう。

4)低気圧が来ると、なぜ雨が降るの?

低気圧は空気の濃さが薄いところ。空気の薄いところがあると、周りから空気が流れ込んでくる(空いてるところの方がらくだから)つまり風が、低気圧の中心に向かって吹いてくる。それが低気圧の中心でぶつかって、他に行き場がないので、上向きの風(上昇気流)となる。それにより空気中の水蒸気も上空に巻き上げられ、冷やされて、水蒸気から細かい水滴となる。この水滴を人間の目で見ると、ふわふわしたものに見えるが、これが雲。雲という細かい水滴が空にあれば、そのうち集まって地上に降ってくる、これが雨。(上空で冷やされる、という流れで、空気の膨張までイメージがあるとなお良い)


【保護者向け】
理科の1&2テーマ目は「天気」です。
この授業では、イメージしやすい天気(晴れ・くもりなど)から始め、温度・湿度・風向風力、そして気圧のイメージを持つことを目的としています。

特に湿度については、入試で実験問題・計算問題が増えているので、丸暗記でなく「飽和水蒸気量の意味」や「湿度の計算方法」に加え、乾湿計のしくみや、金属コップのくもりから露点を計算し、そこから湿度を計算する流れまで説明できるようにしておけるとよいです。

また中学分野からの(問題文でせつめいはしっかりつきますが)出題が増えてきている現状を考え、「原子」の考えにも触れつつ、気圧を、様々な気体の「濃さ」という考え方でとらえ、そこから低気圧のでき方、そして、なぜ雲ができて、雨が降るのかという流れまで説明できるようにしておくとよいと思います。

今回の内容の関連範囲としては、「物のあたたまり方」の回で「水の三態変化」との関わりで、「季節」の回で「気団」との関わりで、より深く見ていきます。


 

参考映像授業
Try IT天気(理科より全6本)担当:伊丹龍義

 

下弦の月

この記事を書いた日が「下弦の月」なので、下弦の月について書いてみることにします。

「上弦の月」・「下弦の月」などを考えるときは、地球からの見た目ではなく、宇宙から見た太陽・地球・月の位置から考えることが必要です。

さらに知識として、かつては、新月から「1か月」を始めていたこと。1か月の上旬に見える半月が上弦の月。1か月の下旬に見える半月が下弦の月だということ。
もちろん月が見えるのは、太陽の光が当たる側だけで、しかも太陽が見えない時間だけのだということ。

これらのことを踏まえて図を描くことで、下弦の月は、何時にどの方角に見えるかがしっかり解ることになります。もちろん、表にして記憶したり、形を覚えることでも基本問題には対応できるが、応用が効かなくなりますし、何より記憶容量の無駄使いとなります。

さらに「月」をしっかり理解しておくと、同じ考え方で、次のような問題も考えられます。

『冬の星として知られる「ベテルギウス」は
どの季節に何時ころ、どの方角に見えるでしょうか?』

いわゆる冬の星座は、冬の位置に真夜中に正面(南)に見える星。これで宇宙空間での場所がわかる。
毎年の私のクラスの「夏の宿題」にも出している内容ですが、宇宙からの視点がないと、なかなか難しい問題です。さて皆さんは、春・夏・秋・冬、それぞれ何時ころ、どの方角に見えるか、さて答えられるでしょうか。

トライイット中3-月の満ち欠けと周期(講師 伊丹龍義)

トライイット中3-星の1年の動き(講師 伊丹龍義)